税務情報 ~消費税の「税込経理」と「税抜経理」、
どちらを選ぶべき?
3つのポイント~

監修 税理士 長尾哲也

会計ソフトに入力するのは、消費税を含めた金額でしょうか、それとも消費税を抜いた金額でしょうか。

消費税の課税事業者は、会計処理の方法として「税込経理」と「税抜経理」のどちらかを選ぶことができます。
どちらを選んでも最終的に納める消費税額は変わりませんが、日々の仕訳や損益の見え方、そして一部の税務上の判定に影響が出てきます。
今日は、選ぶ際に押さえておきたい「3つのポイント」をお伝えします。

①仕訳のしかたが違うこと

税込経理は消費税額を売上や仕入の金額に含めて計上し、税抜経理は「仮受消費税」「仮払消費税」として本体価格と分けて計上します。納付する消費税額そのものは、どちらの方式でも変わりません。
会計ソフトを使っている場合、入力自体は税込金額を入れるだけで、あとはソフトが自動で仕訳を作成してくれます。

●ポイント
差が出るのは入力の手間ではなく「決算書上の見え方」です。
税込経理は消費税額も含めて利益が計上されるため損益を把握しづらく、税抜経理は本体価格と消費税が分かれるため把握しやすくなります。

②交際費や資産の判定基準に影響すること

中小企業者等が年間800万円まで全額を損金にできる「交際費等の特例」や、一定金額未満の資産を全額経費にできる「少額減価償却資産の特例」(現在の基準は40万円未満)は、税込経理では税込価格、税抜経理では税抜価格で判定されます。

●ポイント
金額が基準ぎりぎりの取引がある場合、どちらの経理方式かによって特例が使えるかどうかが変わることがあります。あらかじめ確認しておくと安心です。

③会社の取引すべてで統一するのが原則であること

税込経理と税抜経理は任意で選べますが、原則として会社が行うすべての取引について同じ方式で処理する必要があります(売上・資産・経費のグループ単位までは使い分け可能)。

●ポイント
「この取引だけ」といった細かい使い分けはできないため、見直す場合は会社全体、またはグループ単位でのルール変更が必要です。

まとめ

税込経理と税抜経理は納税額は同じでも、損益の見えやすさや交際費・設備投資の判定基準に影響します。
自社が税込経理なのか税抜経理なのか、一度確認してみることをおすすめします。


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※ 本記事の記載内容は、2026年9月現在の法令・情報等に基づいています。個別の適用可否については、必ず最新の法令および貴社の状況に応じてご確認ください。

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